【第26回】整理解雇の有効性(4)

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【第26回】整理解雇の有効性(4)

2010年3月15日

 前回は、整理解雇の有効性は、裁判例により、人員削減の必要性、解雇回避努力、被解雇者選定の妥当性、手続の妥当性の4要素を考慮して判断され、その中で解雇回避努力について述べました。


 今回は、解雇回避努力をする上で行う希望退職募集について述べたいと思います。

 解雇回避努力と一言でいっても、具体的に何をすればよいのか不明ですが、裁判実務上は、整理解雇を行ううえで、少なくとも希望退職を募集しなければならないと言われています。

 まず希望退職の募集期間ですが、募集人員の規模にもよりますが、従業員にも考慮する期間を与えなければならないので、少なくとも2週間、できれば1か月は募集期間を定めた方が良いと言われています。

 希望退職の募集の範囲ですが、本件では、A事業所を廃止するので、A事業所についてのみ対象として希望退職を募集すればよいのか、それとも全社対象にして希望退職を募集すればよいのか争点になることがあります。

 本件の場合は、B事業所に余剰人員があれば、全社的に希望退職を募集するべきとなりますが、B事業所に余剰人員がなければ、A事業所のみ対象に希望退職を募集してもかまいません。

 また、希望退職の募集にあたり、使用者としては再建に不可欠な人材が退職により流出することを防止するために優遇条件を定める希望退職募集の適用について「会社の承諾した者」との条件を定めることも許されています。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

向井蘭弁護士

向井蘭 労働組合問題など使用者側の労務問題を主に取り扱っている。
モットーは、企業と従業員のハッピーな関係を追及すること。
経営者側の労働問題に関するお問合せは、「労務ネット」まで
URL:http://www.labor-management.net/

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