【第24回】整理解雇の有効性(2)

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【第24回】整理解雇の有効性(2)

2010年2月15日

 前回は、日本では整理解雇には厳しい規制が課され、紛争になり裁判所で負けた場合には、相応の代償を支払わなければならなくなると述べました。


 整理解雇の有効性は、裁判例により、人員削減の必要性、解雇回避努力、被解雇者選定の妥当性、手続の妥当性の4要素を考慮して判断されます。

 まず人員削減の必要性について述べたいと思います。人員削減の必要性については、裁判例(東洋酸素事件(東京高判昭54.10.29・労判330.71)など)は、人員削減をしなければ倒産が必至であるという状況までは要求せず、高度の経営上の困難が存在すれば認めています。さらに、多くの裁判例は、企業が不採算部門を閉鎖しまた業務運営システムの変更に伴い生ずる余剰人員を整理する場合、人員削減の必要性を認めている。

 本件では、A事業所は赤字ですが、会社全体は倒産必至というところまでには至っていません。このような場合も、人員削減の必要性をみたすのでしょうか?結論はイエスです。

 鐘淵化学工業事件(仙台地決平14.8.26・労判837.51)は、「企業全体として黒字であったとしても、事業部門別に見ると不採算部門が生じている場合には、経営の合理化を進めるべく赤字部門について...営業所閉鎖によって剰員が生ずる結果となるのは避けられないのであるから、...人員削減の必要性は認められる」と判示し、不採算部門の閉鎖に伴う人員削減の必要性を認めています。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

向井蘭弁護士

向井蘭 労働組合問題など使用者側の労務問題を主に取り扱っている。
モットーは、企業と従業員のハッピーな関係を追及すること。
経営者側の労働問題に関するお問合せは、「労務ネット」まで
URL:http://www.labor-management.net/

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