八起会・倒産110番

第321回:倒産経験生かし社会貢献へ

 一 自分たちの倒産体験を生かし、倒産しそうな経営者たちの相談に応ずる。
 二 倒産者たちに仕事、就職先を紹介、斡旋する。
 三 倒産者(およびその予備軍)の家庭相談、人生相談にも応ずる。
 四 定期的に勉強会を開き、もう一度「経営」というものを基本から学び直す。
 五 「なぜ失敗したか」を徹底的に反省、分析、真の経営者へ向けて再起をはかる。

 以上の「五つの方針」を掲げ、昭和53年8月6日、「八起会」が誕生した。その2日後、読売新聞は次のように報じてくれた。

 人生は七転び八起きという。転んでも倒れても、不屈の闘志でまた立ち上がる。まるでダルマのように。口で言うのはたやすいが、挫折、とくに事業の倒産となれば、腕を切り裂かれるような痛みと、地獄の苦しみを味わう。そんな辛さを乗り越えて、敢然と再起の道を目指そうという人たちの集団が産声をあげた。名付けて「八起会」。

 鉄鋼業、建設業、輸出業など日本の高度成長を支えてきた分野で活躍しながら、長期不況の波をかぶって、事業運つたなく撤退した人たちのつどいだ。去る6日には台東区の浅草公会堂で発会式が行われ、参加者は力強く再出発を誓った。その会場での発言の裏には、国から見放されがちな中小企業の実態と、工業大国ニッポンの貧しい現実の姿が浮かび上がっていた。

 マキャベリは「天国へ行くのにもっとも有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」と言っている。この言葉が正しいとすれば、倒産地獄を熟知する私たちは、十分に社会的「財」になれるはずである。少なくとも「反面教師」にはなれるはずである。その思いを込めて、私たちは「八起会」を発足させた。

筆者紹介

八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
野口 誠一

【野口 誠一氏プロフィール】

昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。
わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。

関連書籍のご案内

中古トラックの栗山自動車工業