八起会・倒産110番

第320回:読売新聞が紹介、「八起会」結成

 前回に続いて、私が読売新聞の記者に提示した五つの「基本方針」だが、残る二つは次の通りである。

 四、勉強会を開催する
 一度「社長」と呼ばれた人たちは、誰もがまた、その地位に返り咲きたいと願っています。そのとき同じ失敗を繰り返さないためにも、また、より立派な経営者になるためにも、互いに情報を交換し合いながら勉強しようではないか、というのがこの趣旨です。

 五、徹底的に反省し心の再起をめざす
 理由や原因はどうあれ、倒産を招いたのは「社長」です。誰が何と言おうと、いちばん悪いのは社長です。社員・従業員はもとより、多くの取引先、金融機関にも迷惑をかけました。そのことを徹底的に反省し、生まれ変わろうではないか、自己改革に挑戦しようではないか、ということです。心の再起とは、必ずしも社長に返り咲くことだけを意味しません。まずは「人の道」を踏みはずさないように生きようではないか、ということです。

 以上の「基本方針」5か条を、私は情熱を込めて記者に語った。

 「よく分かりました。あなたのおっしゃるように、ボランティア活動であることを条件に、全面的にバックアップしましょう」

 くだんの記者はこう言ってくれた。その言葉通り、7月の読売新聞に紹介記事が掲載され、ついに8月6日、「八起会」が結成されたのである。

 一片の新聞記事が私の心を動かし、一片の投書が読売新聞を動かし、そしてこの世に八起会が誕生した。私は、この偶然の不思議に驚きを禁じ得ない。その八起会がボランティア活動であるにもかかわらず、基本方針通りに三十余年も続いていることは、さらに不思議としか言いようがない。

筆者紹介

八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
野口 誠一

【野口 誠一氏プロフィール】

昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。
わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。

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