物流ウィークリーヘッドライン
悪いときには悪いことが重なるもの。私が倒産したとき、長男は大学進学を、次女は高校進学を目前に控えていた。しかし、無一文になった私に、学費を出してやる力などあろうはずがない。私は子どもたちに両手を突いて詫びた。
「お父さんは会社を潰してしまって、もう学費を出してあげられない。気の毒だが進学はあきらめてくれ。どうしても行きたいなら、アルバイトでもなんでもして、自分の力で行ってくれ。だらしない父親だと思ってあきらめてくれ」
ふんぞり返ることはあっても、人にアタマを下げたことなどめったにない私だったが、このときばかりは詫びるしかなかった。
すると長女が「お父さん、私が短大を卒業します。私が働いて妹の学費を出しますから、私と同じように短大までやって下さい。途中で結婚するようなことがあっても、学費だけはきちんと入れますから」と言う。
そして家内までが「いままで贅沢ができたのは、みんなお父さんのおかげですよ。今度はお父さんに恩返しをする番です。お母さんもパートでもなんでもして働きますからね」と言う。
私は何も言えず、うなだれるしかなかった。とめどなく涙が頬を伝っていく。こんな不甲斐ない父親を責めもせず、みんなが盛り立ててくれる。まさに地獄で仏、私は家族というもののありがたさをしみじみと知った。
こうして家族は宣言通り、それぞれの道を歩きはじめた。家内はデパートの食品売り場でパート、3人の子どもたちもそれぞれにアルバイト先を見つけ、私のせいで暗転した運命と必死に闘っている。
だらしないのは倒産のショックから立ち直れず、毎日アパートに閉じこもったきりの私だけ。何とかしなければと思いつつも、何ともならないのが倒産地獄である。