八起会・倒産110番

第295回:中小企業の声を代弁

 八起会は、基本的には中小企業者の結集団体ですが、政治的にはなんらのポジションも持っていません。それだけに、中小企業の置かれた地位、格差などの諸問題について、中小企業の声というものを代弁できるのではないかと思います。

 中小企業もいまは、法律的にはいろいろな面から配慮されていますが、実際はそうもいかないのが現状です。たとえば下請け会社などの場合、取引に条件がつけられたり、担保付き融資などでも、債務者のほうが一方的に不利益になるのが実態です。

 担保は圧倒的に不動産が主ですが、その不動産も昔に比べれば値動きの上下動が激しくなっています。かつては土地神話といわれたように、地価は右肩上がりが常識でした。しかしバブル崩壊以後、下落も当然視されています。いったん設定した担保価値が下落すれば、債務者は新たな担保の追加を求められたり、場合によっては競売に付されるケースもあります。そのとき、債務者は負担をそのまま引き継ぎ、債権者は債権をそのまま維持するというのが実状です。

 しかし、債務者は担保の範囲内でしか義務を負わないという考え方もあるはずです。時代の流れに応じて、そういうことを提言していくのも、中小企業を支えてきた八起会として、期待されるところかもしれません。

 八起会はこの30年間、多くの会員や相談者に接してきました。そうした人の集まりをどのように円滑に運営していくかについて、野口会長には明確な方針がありました。そのスローガンが「人の痛みはわが痛み、共に泣き 共に苦しむ八起会」です。

 会員の方々もその方針と会長の人柄を信じ、積極的に会の運営に参加され、きょうの創立30周年を迎えるに至ったものと拝察しています。

筆者紹介

八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
野口 誠一

【野口 誠一氏プロフィール】

昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。
わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。

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