物流ウィークリーヘッドライン
その頃、わが家は二人の娘の大学の授業料や、家のローンなどに追われており、とても株式投資にまわすお金などありませんでした。私は口をすっぱくして何度も主人にブレーキをかけました。
「お父さん、株、始めたの。いまのわが家にそんな余裕なんてないでしょ。何かあったらどうするの、絶対やめてくださいね」
でも、主人の答えはいつも同じでした。
「わかってるよ。自分の小遣いの範囲でやるから、家計に迷惑はかけないよ。あまり干渉しないでくれ」
私は不安でたまりませんでした。このとき、主人50歳、私は46歳でした。あとでわかったことですが、そのとき主人はすでに土地、建物を担保に、本格的に株式投資を始めていたのです。やがて毎朝、ファックスで何枚もの先物取引関係の資料が届くようになりました。そしてある日、主人が言いました。
「お母さん、娘たちの簡易保険、解約できないかい。この資金をきょう中に入金しないと大変なことになるんだよ」
驚きました。主人はすでに、娘たちの学資保険をあてにするところまで追い込まれ、正常な姿ではなくなっていたのです。あんなに家族思いだった主人が、どうしてこんなに変わってしまったのだろうか。これは私たちに対する裏切りではないのか。名義こそ主人名義だが、この家は家族みんなのものではないのか。それを私たちに相談することもなく担保に入れるなんて。こうなった以上、離婚するしかないのではないだろうか。そんなことを何度も何度も自問自答しました。
でも、投資の目的を聞くと、主人は「金持ちになって、みんなにもっとよい生活をさせたかった」と言います。そのような動機だったのかと思うと、とても複雑な気持ちになりました。