物流ウィークリーヘッドライン
母がラブホテルの受付を始めて間もなく、母に「きょうは泊まりの仕事だから、あなたもいっしょに泊まってそこから学校へ行きなさいよ」と言われたことがあります。ラブホテルですよ、そんな母親がいるでしょうか。でも、好奇心旺盛な私は母といっしょに泊り、翌朝そこから制服姿で通学したことを覚えています。このような天然系の母のおかげで、私たちも不安なく生活できたのだと思います。
やがて、父がお勤めに出るようになりました。通勤だけでも大変な苦労だったと思います。社長のときは毎朝、迎えの車だったのですから。サラリーマンにとっては当たり前のことでも、社長しか知らない父にとっては苦痛でしかなかったと思います。自分よりずっと年下の人たちに使われ、どんなに辛かったことでしょう。
そんなさなか、私の学校の授業でピアノが必要だと知ると、当時は余分なお金などないはずなのに、父はすぐにピアノを買ってくれました。私はうれしいよりも申しわけなく、ありがたく、1日も休むことなく練習しました。もう28年にもなりますが、いまも嫁ぎ先の家に置いてあります。
父という人は、自分がどのような状況にあろうと、いざ子どものこととなると、すぐさま行動してくれる人です。私の主人も父と同類です。そっくりです。仕事に対して厳しく、物事に対して緻密で、人の気付かないことにも気付きます。そして何よりも、家族と子どもたちを愛してくれます。私たちきょうだい3人も、生まれたときからずっとかわいがられてきました。だから、倒産という危機のなかでも、両親を信じられたのだと思います。私はいま、2人の娘でよかったと心から感謝しています。私たちきょうだい3人は、いつまでも2人の子どもです。