物流ウィークリーヘッドライン
私は長い間、次女に負い目を感じていた。長女と長男には経営が順調ということもあって、それなりにいい思いをさせてやれたが、次女にはこれからというときに倒産してしまい、ずいぶん苦労させてしまったからである。その次女が当時を振り返ってスピーチしてくれるという。私は真剣に次女の言葉に耳を傾けた。以下はその生の声である。
----野口のいちばん下の娘でございます。こんな大勢の人の前でお話しできる方の心臓はいったいどのような構造になっているのでしょうか。私はいま、胸がドキドキです。
昨年の3月、父から「八起会30周年で何か話してもらえないか」と言われ、まあ1年も先のことだしどうにかなるだろうと思い、「ギャラは高いよ」と軽くOKしてしまいました。私はあまり先のことを考えないタチですが、今回ばかりは後悔でいっぱいです。
倒産......、この言葉のイメージにはとても暗いものがあります。大きな声で言えることではありませんが、私の家も倒産を経験した一家です。当時、私の姉が短大生、兄が大学進学、そして私はこれから花の高校生活を満喫しようという矢先でした。そのとき、母から言われた言葉はこうです。
「お父さんの会社はもう続けられなくなったので、この家は売ります。アパートへ引っ越します。荷物はあまり持っていけません。布団と着替えと勉強道具くらいかしら」
私は「えっ、それってうんと重大なことのはず。まさか、ウソでしょう」と思いました。しかし、母はふだんの連絡事項を告げるように語っただけでした。その夜、母の言葉を頭のなかで一生懸命理解しようとしましたが、ただただ寒気がして、頭が少しも働かなかったことと、眠れなかったことを覚えています。おそらく姉も兄も、同じ心境だったと思います。