物流ウィークリーヘッドライン
「いますぐに北海道へ帰って、債権者のみなさんに頭を下げ、再建をお願いしなさい」
それが野口会長の結論でした。しかし、私は大いに不満でした。やっとの思いで夜逃げしてきたのに、いまさら帰るなんて到底できません。会長は都会に住んでいるから、すぐに帰ったほうがいいと簡単に言うが、田舎には都会の人などにわからない複雑な事情もあるのです。
私は納得できませんでした。そんな私の不満を見抜いたのでしょう。会長は「今日はこれで帰って、もう一度ゆっくり考えてみなさい」と言われました。そして、帰りがけに「今日はこれを飲んで、ゆっくり休みなさい」と、日本酒を1本下さいました。
その後も何度か八起会を訪ね、会長ともいろいろ話し合いましたが、私はどうしても帰る決心がつきません。そんな私に会長がこう言われました。
「あなたは事業に失敗しただけであって、人生に失敗したわけではありません。必ず再起できます。あなたより苦しい立場から再起した会員は大勢います」
私は会長のこの言葉に、目からウロコが落ちました。私はそのときまで、自分の人生は終わった、すべてに失敗してすべてを失った、そう考えていました。会長に、事業には失敗したが人生に失敗したわけではないと言われ、はじめてそのことに気付き、ようやく北海道へ帰る決心がつきました。
私は八起会に甘えていました。八起会へ行けば借金取りから身を守ってくれる、借金を免れる方法を教えてくれる、そう思っていました。しかし、そんな虫のよい話があろうはずもありません。倒産者や困っている人を黙って受け入れてくれる、話を聞いてくれる、精神的支えになってくれる、そして進むべき方向を教えてくれる、それが八起会だったのです。