物流ウィークリーヘッドライン
念願の「倒産110番」常設を機に広く世に知ってもらうべく、私は再度、「倒産110番」イベントを企画した。今度は前年のてんてこ舞いに懲りて、東京・芝の増上寺を借りきった。
電話も5本、弁護士も5人、相談員30人と大幅に増員した。が、それでもてんてこ舞いを余儀なくされた。たった1日で500本もの相談が殺到したのである。
これにはスタッフ全員が驚いた。このてんてこ舞いは、倒産してもいかに頼るところがないか、あるいは、倒産の危機に瀕しながら、いかに相談するところがないか、その如実な証明である。私はつくづく倒産駆込寺を開設したことの意義を痛感した。
結局、この増上寺のイベントは1日しか打てなかった。帝国データバンクが協賛してくれたものの、資金的にそれ以上は不可能だったのである。このときもマスコミがバックアップしてくれ、新聞は「以後は八起会の常設110番へ」と、電話番号まで紹介してくれた。と、翌日から常設の110番が鳴りやまない。それが2、3か月ほど続いた。
ようやく一段落して増上寺へお礼に伺ったところ、いきなり「おたくにはもう貸せませんよ」という。聞けば、あれ以来、毎日のように問い合わせの電話が殺到し、ほとほと困り果てたとのこと。私は恐縮するしかなかった。
しかし、それが当時の実態だった。倒産とそれにまつわる悲劇、悲惨のなんと多いことか。そしてその倒産は八起会にも迫りつつあった。借金と会員の会費だけを頼りに始めた「倒産110番」だったが、やがて資金が底を突き、維持が困難になってきたのである。
ボランティアの限界である。くるべきときがきたのである。こんなに助けを求めてくる人がいるのに、閉めねばならないとは・・・。私は無念でならなかった。