物流ウィークリーヘッドライン
発足当初の八起会は単なる「倒産者のつどい」にすぎなかった。
やがて会員が増え、組織立つにつれ、「倒産防止の会」「自殺防止の会」「再起の会」と、活動の範囲がどんどん広がっていった。が、ボランティア組織ゆえ常に資金不足につきまとわれ、当初の念願だった「倒産駆込寺」「倒産110番」の常設には、なかなか手が届かなかった。
そんななかで昭和58年、八起会は5周年を迎えた。私はその5周年を、どうしても「倒産110番」のイベントで飾りたかった。
世の倒産者および、その予備軍に八起会の存在を知ってもらい、「1人で悩むことはありません。八起会が相談に乗ります」というメッセージを発したかったのだ。
しかし、資金はない。そこで、6畳2間のわが家ならぬ、わがアパートの1室に電話を2本入れ、顧問の弁護士と公認会計士、有志数人で「倒産110番」を決行した。
そのときもマスコミがバックアップしてくれた。新聞は「8月20、21の2日間、朝9時から夕方5時まで相談受付」と報じてくれた。
ところが、いざフタを開けるや、早朝の4時、5時から深夜の1時、2時まで電話が鳴りやまない。私は「1件、30分以内で片付けるように」と指示せざるを得なかった。結局、2日間で250本の相談が殺到し、私たちはくたびれ果ててしまった。
イベントは大盛況のうちに終わったが、私はその反響の大きさに複雑な思いを禁じ得なかった。いかに多くの倒産者、およびその予備軍が悩み苦しんでいるか、その現実をイヤというほど思い知らされたからである。
それらの人たちをたったの2日で救うことなぞ、到底不可能である。私は「倒産110番」の常設を願わずにいられなかった。が、資金がなくてはどうにもならない。悔しい日々が続く。