物流ウィークリーヘッドライン
八起会・発会式の日、私はマスコミの取材を受けた。
「これから八起会を、どのように発展させていくつもりですか」の質問に、私は「八起会は倒産者の会です。その会が発展するようでは日本経済がガタガタになってしまいます。いちばんの理想は八起会が自然消滅に追い込まれることです。そのとき、倒産はなくなっているでしょう」と答えた。
これは皮肉でも、はぐらかしでもない。事実そう思っていたし、いずれ景気が回復し倒産件数が減れば、八起会の存在も不要になるだろうと思っていた。それがなんと30年も続いた。これは喜ぶべきことだろうか。それとも悲しむべきことだろうか。30周年を迎えて、私はそんなことを思った。が、答えは喜び半ば、悲しみ半ばとしか言いようがない。
八起会が30年も続いたことは、私たちのボランティア活動が、一定の社会的役割を果たしてきたことの証しであろう。とすれば、それは私たちにとってうれしい限りである。が、そのうれしさの半面には、倒産という悲劇がぺったりとくっついている。
中小企業の場合、それが引き金となって離婚や一家離散などの家庭倒産、自殺や一家心中などの人生倒産に結びつきやすい。事実、私たちの活動の大半は、そうした悲劇との格闘であった。とすれば、30周年を手放しで喜ぶわけにはいかない。
私の投書と読売新聞のバックアップで、ひょうたんから駒のように誕生した八起会だったが、私も会員も誰一人として、八起会が30周年を迎えようなどとは夢にも思わなかった。にもかかわらず今日がある。
その最大の原因は、この30年間、倒産がなくならなかったからである。実際、カラスの鳴かない日はあっても、「倒産110番」が鳴らない日はなかった。好不況にかかわらず、倒産は常にある。