物流ウィークリーヘッドライン
倒産者は一様に絶望感、無力感、孤独感にさいなまれる。死ぬより辛い日々が続く。が、そこに仲間がいて、語り合える場があれば、少なくとも自殺は防止できる。
私は読売新聞に投稿し、「倒産者の会」を、「自殺防止の会」を、と訴えた。さらに、その会の社会的役割を念頭におき、次の5点を強調した。
1 自分たちの倒産体験を生かし、倒産しそうな経営者たちの相談に応ずる。
2 倒産者たちに仕事、就職を斡旋する。
3 倒産者(およびその予備軍)の家庭相談、人生相談にも応ずる。
4 定期的に勉強会を開き、もう一度、「経営」を基本から学び直す。
5 「なぜ失敗したか」を徹底的に分析し、反省し、もう一度真の経営者へ向けて再起をはかる。
私は「倒産者が何を言うか」という批判を覚悟のうえで、堂々と訴えた。その自信と勇気を支えてくれたのが、マキャベリの「天国へ行くのに、もっとも有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」という言葉だった。
この言葉が正しいとすれば、倒産地獄を熟知する私たちは、十分に社会的「財」になれるはずである。少なくとも「反面教師」になれるはずである。その思いが私を投書に駆り立てたのである。
読売新聞は素早く対応してくれた。私が5つの方針を詳しく説明するや、「わかりました。有意義なアイデアだと思います。ボランティア活動であることを条件に、全面的にバックアップしましょう」と賛成してくれ、ただちにその紹介記事を掲載してくれた。
それが昭和53年8月6日の「八起会」発足につながったのである。言い出しっぺということで私が会長となったはいいが、日本では初めての試みとあって、その反響は実に大きかった。