物流ウィークリーヘッドライン
地方の企業や中小企業を中心に、また倒産がふえてきた。倒産は経済的損失だけにとどまらない。中小企業の場合、あらゆる悲惨の引き金ともなりやすく、ときには自殺や一家心中など、社会問題にもつながっていく。
グローバル化、原油高、地域間格差など、さまざまな要因が考えられるが、倒産は基本的に放漫経営の結果としか言いようがない。今回から、そうした悲惨のデパートとも言うべき実例を紹介しよう。
Nさんは平成元年、36歳のときに脱サラし、東京・港区に事務機器販売の会社を設立した。それまで勤務していた事務機器販売の会社では、官庁関係の受注と納入を担当していた。官庁には彼の大学時代の同級・同窓生も多く、前々から「どうせなら独立してやればいいじゃないか」と声をかけられてもいた。
その頃、Nさんは上司の取締役とうまくいかず、不遇をかこっていたときでもあり、思いきって独立に踏み切ったのである。
Nさんは、まずまずのスタートを切った。某官庁に勤める友人がNさんの会社を納入業者に加えてくれたうえに、他の官庁も紹介してくれたからである。彼はそうした官庁に、ロッカーなどのスチール製品やシュレッダーなどを納入していく。2年目に4つの中央官庁、6つの特殊法人から受注を受けるようになり、売り上げも月商一1400万円前後と安定。そこで、彼は従業員を2人雇った。
官庁関係の取引で何よりもありがたかったのは、支払いが早いことだった。製品を納入して、一週間以内に支払いが行われる。民間取引では考えられないことだったが、それがよかったかどうかはわからない。早い現金化とまとまった金が常に身近にあれば、誰だって気は大きくなるし、危機感も経営の現状把握も甘くなっていく。
Nさんも、その例外ではなかった。