物流ウィークリーヘッドライン
前回まで同族経営の事例を2つ紹介したが、実は八起会には「同族経営心得十か条」がある。中小企業には同族経営も少なくないから、まずはそれを紹介しよう。
一、同族円満(親子、夫婦、兄弟、息子の嫁、娘の婿)
二、経営理念の確立(将来の会社の姿、将来の社員の姿を明確に)
三、計数管理(ガラス張りの経営、給与体系の明確化)
四、公私混同(金銭感覚の欠如、社員の奴隷視)
五、時間管理(働きすぎ、遊びすぎ)
六、事業目的・目標・計画の徹底
七、危機感(自分に限っては倒産する)
八、良質の人脈づくり
九、企業は社会の公器(同族の私物にあらず・還元の精神を)
十、風通しのよい企業文化(トップに負の情報も伝わるように)
この十か条については説明の要もあるまいが、第七条の「危機感」は、順風・逆風に限らず、自分に限っては倒産する、と恐れるぐらいでちょうどいい、という意味である。八起会のデータでは、倒産者の9割が「自分に限っては倒産するはずがない」と思っていたことを示している。
第九条の「企業は社会の公器」は、同族経営といえども私物ではないという意味である。経営は私的行為ではなく、社会的営為である。同族経営の場合、家業という意識が強すぎるのか、どうもそこのところが混同されやすい。
経営の「経」とはタテ系のこと、つまり筋を通すことである。とすれば、筋道正しく事業を営むことが経営である。企業はそのための手段にすぎない。同族経営といえども、その使命は免れない。