物流ウィークリーヘッドライン
手紙の文面から察する限り、Eさんの悩みは深いようである。が、こういう「運」だけの社長、Eさん流にいえば「目の前に受注があり、それが儲かるから事業を継続しているだけ」の社長がいかに多いことか。私は常々、「企業の目的は還元なり」と言ったり、書いたりしているが、こういう社長の耳には、それこそ「馬耳東風」。
なぜか。この社長は「社長」ではあっても、「経営者」ではないからである。社長と経営者の間には、想像を絶する距離がある。早い話が、社長になるには何の資格もライセンスもいらない。資本さえあれば誰でもなれる。が、経営者となれば、そうはいかない。経営者には明確な「使命感」が要るからである。
使命感とは、経営という天職をもって人様と世間様に、もっと広くいえば社会と国家に奉仕する──そういう「還元」の精神のことである。
具体的に言えば、自社が提供するモノやサービスをもってユーザー、消費者の役に立ち、その評価(社長はこれを「儲け」と解するが、経営者は「評価」と解する)をもって社員・従業員の生活を保障していく。
そして、堂々と税金を払って国家に貢献し、なおかつメセナ、ボランティア、フィランソロピー(いずれも企業による無償奉仕)と社会還元も忘れない──これが真の経営者の姿である。
残念ながら、Eさんの社長はしょせん、「社長止まり」である。そして、社長にはしばしば倒産が訪れるが、経営者には訪れない。
今回、紹介した「倒産の原因のワーストテン」は、中小企業の経営者がいま、どの位置にあるか、それは発展の方向を向いているか、そこを確かめるバロメーターといっていい。時々はこの「ワーストテン」に我が身を照らし、自己採点してみてはいかがだろうか。