八起会・倒産110番

第214回:社長批判(1)

 以下は「倒産の原因ワーストテン」と、Eさんが社長を採点した内容である。

 ワースト第10位・・・経営者のワンマン・反省心の欠如→100%合致
 毎日の仕事の3割は、取締役・重役連の「恨み節」の聞き役。社長は土地を手放そうとせず、優秀な社員を手放している。

 第9位・・・計数管理の不足と勉強不足→90%合致
 社長はよく「数字をつくれ」というが、それを提案すると、「あとで見ておく」の一言だけ。後日、その数字の判断を仰ぐと、「お前らがどう判断し対応するか、それを知りたかっただけだ」でおしまいとなる。「経営シミュレーションをつくれ」といわれて損益分岐図を提出すると、「部長クラスにも、この図で勉強させなければ...」といいながら、数日後には、その損益分岐図の裏はメモ用紙に変わっていた(おそらく、本人も理解することができていないはずである)。

 第8位・・・決断力・実行力の欠如→100%合致
 午前中に下した決定を、午後に変えることもしばしば。口では重役連に「早くナンバー・ツーになれ、ナンバー・スリーになれ」というが、それは口先だけのこと。権限委譲はまったくなし。子会社の社長も兼務しており、毎月数百万円の役員報酬を夫婦で得ている。

 第7位・・・公私混同と経営哲学の欠如→100%合致
 社長の子息は東京で暮らしている。そこで奥様がときどき会社にやってきては、女子社員に「東京までの新幹線の回数券をください」といって持っていく。自宅の大型テレビの購入費や子息の結納の料理代などの伝票まで会社にまわってくる。それに加えて、社長宅(会社の隣りが自宅になっている)の庭の手入れまで、社員の仕事となっている。

筆者紹介

八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
野口 誠一

【野口 誠一氏プロフィール】

昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。
わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。

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