物流ウィークリーヘッドライン
「燃料価格からみると、昨年よりも対策を講じないと生き残っていけない」。
兵貨協連の幹部を務める県内の事業者は、ある会合の席でそう話した。産業分野によってまだら模様だが、押し並べて大きく物量が回復していない現在、事業経費が大きく変動する可能性の最も高い燃料価格が事業者の生き残りの焦点になっている。
この幹部の話によると、1年前の燃料(インタンク)価格はリッターあたり76円程度。現在は同89円程度にまで上昇し、なお上昇局面にある。直近の1年間、物量の急激な落ち込みがあったにもかかわらず事業が安定し、むしろ「黒字が出ている」事業者が散見される。これは、一昨年夏ごろまでの超高値の燃料価格からみた相対的安値による下支えがあったからだという。
この間、各事業者の間では物量減少を埋め合わせるための合理化策がとられた。例えば、地方メーカーから数百km離れた都市部へと食品輸送を請け負うA事業者は、自社配送は都市部の拠点から店舗までの輸送を専門にするように仕組みを切り替えた。メーカーからの出荷は、地元の提携B運送会社に任せたのだ。このように切り替えることで、幹線輸送に強みを持つB運送会社が強みをより強化できるようになり、A事業者は得意な都市内配送に専念できる。
また、ある化学品メーカーの輸送を担う別の運送会社は、これまでの長距離輸送便に加え、メーカーが路線業者に任せていた分まで積み合わせで輸送することを要請し、実現した。このため、従来の物量より請け負う量が増えることもしばしば。ある業者にとっての物量増加が、他の業者の物量減になるゼロサム状態があり、現状で物量に変化がないかプラスの事業者が、その状態を「合理化」と呼んでいるに過ぎないといった競争がある。
こうした「合理化」を下支えしたのが、燃料の相対的安値だったというのだ。「合理化競争に敗れたところのみならず、燃料価格は今年の業界の爆弾になる」と観測する関係者が少なくない。
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