物流・ロジスティクス

【コラム:ロジSP9】「与えよ、されば与えられん」

 ある荷主企業の話。

「物流会社がやってる提案営業なんだけど、こちらから言わせれば『おねだり営業』だね。情報をください、くださいばかりで、こちらが苦労して集めた情報やノウハウを取るだけとって、割に合わないとなれば「すみません。うちではとても対応できるコストではないです」って頭をさげてそれっきり。それってうちの情報取りじゃないの?こちらからすればおねだりされてばっかりで、良いか悪いかの判断すらできない。判断材料が業務案内だけじゃね」

spnaka.jpg

 方や、ある物流企業の話。「荷主企業は提案が少ない、もっと提案しろって言っておいて、細かい見積りや条件なんかを求めてくる。こちらは現場の配車担当に調整させたり、ネットワーク先に頭を下げて"仕事になったらよろしく"なんて根回しして話を詰めて出したのに、その提案書をコピーして「これ、いくらで出来る?」って競合に渡す。それってひどい話じゃないの?そこまでひどくなくても、提案を要求しておいて、提案したら何ヶ月も塩漬けにするなんて日常茶飯事だよ。そうやって値段ばかりたたくんだよね」

 どちらも双方納得できる言い分だが、ビジネスと考えたとき、大事な前提が欠けているように思う。提案をする側は、一つでも検討可能なサービスメニューを出すことが最低限の礼儀であるし、提案を受けた側は、少なくとも提案内容についてYes or Noの返答を明確にする必要があるだろう。

 しかし、現状をかんがみると、提案する側が『おねだり営業』化しているという意見は十分納得できる。自社のサービスメニューをきちんと作りこんで、それを切り口に営業範囲、提案範囲を拡大していく、という努力が現代の物流企業の営業には必須となっている。物流企業発の独自サービスが求められているのである。

 顧客ニーズは大事だが、ニーズなどは聞かずともはっきりしている。「物流コストを削減して、かつ物流企業に利益が残る仕組みをどう組み上げるか」が唯一無二の目標になる。

 荷主企業に提案取りされない、簡単に他社が真似できない要素を含めた物流サービスは誰もが待望しており、そのようなサービスの構成要件はいろいろ見まわすと、次のような要素が入っているようである。

・共同配送など、ネットワークを駆使したサービス
・車両、スペースの回転率を上げるサービス
・拠点運営(DC、TC問わず)が絡んだサービス
・ITによる効率化・付加価値が成立するサービス


 与えよ、されば与えられん。

営業はまず「自社の具体的なサービス提案」をお客様に持っていくことが面談の必須条件である。


株式会社ロジスティクス・サポート&パートナーズ
http://www.logi-sp.com
専務取締役 中根 治

 「1ランク上の物流へ」をコンセプトに、交渉によるコスト削減一辺倒の日本の物流を変えるべく、現場出身の経験豊富なメンバーが日夜改善活動に主体的に取り組み、「儲かる物流」実現のサポートを行う。
 また、日本の物流の実態を正確に掴むため、業界専門誌と連携しトラック実勢運賃調査、物流現場生産性調査など、現場の生の情報を発信し続けている。
 現在、これらの情報をより現場で働く人にダイレクトに届けるために、物流情報ポータルサイト「物流解決ねっと」を運営、より多くの現場で働く人、物流で悩みを抱える人や企業のパートナーとなるべく活動を続けている。

欲しかった情報がここにある!
物流情報ポータルサイト「物流解決ねっと」

http://www.butsuryu-kaiketsu.net/

<前回までのコラム>
第8回:「物流業界のM&Aに思う」
第7回:「心に残る意見」
第6回:「どっちが得か」
第5回:「短絡的合理性」
第4回:「成果報酬契約をしたいなら」
第3回:「やる気を削ぎ続ける国」
第2回:「元請け-下請け構造を疑え」
第1回:「儲かる物流のかたちとは」

2010年9月23日

AINIX MOBILE 販売パートナー募集

物流マン必見のポータルサイト
物流ウィークリー その他関連記事
中古トラックの栗山自動車工業

物流・ロジスティクス業界転職情報

ドライバー募集ナビ求人情報