物流ウィークリーヘッドライン
ある物流会社の社長と最近の状況について話をする機会があった。
リーマンショックから早2年、輸出メーカーの物流を手がけている企業やフォワーダーはやっとショック前の物量に戻り一息ついたところだが、一般消費者向けの消費財を取り扱う物流企業にとっては、物量が軒並み2ー3割減という月が年明けから続き、荷台はスカスカだが、納品条件が変わらないため減車も減員も出来ない「金縛り」状態だ。

トップ自らの営業は当たり前だが、売上減の中、物流体制を変える荷主も少なく、いきおい小粒でもスポットでも、数を取りにいく営業になってしまう。たまに見直しを考えている荷主企業や物流子会社に出会うが、その際、「Gマーク」を取得していることが取引条件だ、という企業がかなり増えたという。
「Gマークはトラック協会が後押ししているのだから、営業のプラスになるなら取ったほうがいいのでは?」と聞くと、あんなのを取ったら私たちは餓死してしまう、という。
理由を聞くと、資格取得要件に正社員の雇用、点呼の実施、社会保険の加入など、規定通りに対応していたらとても売上が上がらない要素ばかりで、長時間労働をしてでも、食べるための売上を稼ぎたい、というドライバーが次々と辞めていく、という。
優秀なドライバーほどたくさん働いて、自分の腕で収入を増やしたい、と思っているのに、Gマークなどの資格・認証の取得要件はそのような優秀なドライバーのやる気を削いでいる。経営者としても、働きに報いるためには正社員でなく、独立事業者として付き合う以外になく、頑張りたい人ほど一人親方になるしかない、という状況である。結果として零細は零細から脱出できず、大手は大手のまま安泰で、法令遵守をしているだけで食べていけるようになっている。格差が固定化するように仕組まれているのだ、という。
今の物流業界は、持たざる者の最大の武器である、人の倍、3倍の時間をかけて頑張るという手が使えない。
過去、報われたい、よりよい生活をしたい、という、働き手の気持ちを利用し、搾取の構造を作り出した悪い事業者がいる。このような経営をさせないために作った規制や制度が、零細の良い事業者の成長を阻むジレンマが業界に重くのしかかっている。
頑張る会社、現場に正しく日が当たる新しい視点が業界に必要とされていると痛感する。
株式会社ロジスティクス・サポート&パートナーズ
http://www.logi-sp.com
専務取締役 中根 治
「1ランク上の物流へ」をコンセプトに、交渉によるコスト削減一辺倒の日本の物流を変えるべく、現場出身の経験豊富なメンバーが日夜改善活動に主体的に取り組み、「儲かる物流」実現のサポートを行う。
また、日本の物流の実態を正確に掴むため、業界専門誌と連携しトラック実勢運賃調査、物流現場生産性調査など、現場の生の情報を発信し続けている。
現在、これらの情報をより現場で働く人にダイレクトに届けるために、物流情報ポータルサイト「物流解決ねっと」を運営、より多くの現場で働く人、物流で悩みを抱える人や企業のパートナーとなるべく活動を続けている。
欲しかった情報がここにある!
物流情報ポータルサイト「物流解決ねっと」
http://www.butsuryu-kaiketsu.net/
<前回までのコラム>
第2回:「元請け-下請け構造を疑え」
第1回:「儲かる物流のかたちとは」
![]() POT Voice 販売パートナー募集 |
用途に合わせて選べるハンディ |