物流ウィークリーヘッドライン
企業統合や法律改正など、医薬品業界は激しい環境変化を遂げ、これまで静観されがちだった医薬品物流も大きな影響を受けている。こうした動きに対し、医薬品卸大手のスズケン(別所芳樹社長、名古屋市)は、医薬品メーカーの物流を支援する企業、コラボクリエイト(浅野茂社長=写真左、東京都中央区)を立ち上げた。医薬品というデリケートな商品のため、各メーカー同士の物流の壁は厚く、共同化は困難とされていた。しかし、同社は第3者的立場として新しい切り口で参入する。
現在、医薬品業界は合併や提携などが進む一方で、4月1日から改正薬事法が施行。同法により新たな制度が設けられ、物流に関しても事業売却や分社化、アウトソーシングなどを取り入れるメーカーも目立つ。
医薬品卸のスズケンは、メーカーの物流共同化を支援する事業に注目。共同化実現のための企画・管理専門会社、コラボクリエイトを設立した。
「メーカー同士が一緒になって物流をやっていくことは必要だと思った」と話すのは、浅野社長。親会社のスズケンに同社の実行する物流共同化プロジェクトを持ちかけた本人でもある。
浅野社長は主に医薬品卸のM&Aを担当していた。そこでビジネススキームを見抜く力を養ってきた。「メーカーの選択肢としては、自社で物流を行っていくか、アウトソーシングをするか。しかし、自社運営は投資しなければならないし、アウトソーシングも把握できないため不安もある。それに本当のローコストなのかもわからない」。メーカーの不安を改善したい、という純粋な考えは、親会社の意思決定をも早めた。こうして、メーカーの共同配送を卸が率先して築くという、これまでにない新しい図式ができあがったのだ。
しかし、すでに医薬品共同配送システムを構築している例もある。「商社など異業種の参入が目立つ。医薬品業に関わっている以上、本当にそれでいいのだろうか、と思った」。改正薬事法も手伝い、「機能が細分化されるため、ターゲットも絞りやすくなった」と、異業種からの参入も容易になってきている。
そのため、同社はメーカーに対し強調することは、物流に関する課題解決、提案、現状を把握しながら解決までの手段を、現場まで一貫したアクションプランとして提供することだ。
同社の強みは、強力な能力・技術力をそろえたこと。株主には、医薬品物流センターや研究所・工場建設の第一人者の大成建設、3PL物流事業業として定評が高いキムラユニティーがそれぞれ同等額を出資している。両社からのスタッフも常駐している。その他、医薬品メーカー16社で株式は構成されている。
また、「ここまで来ることができたのも、この人がいたから」と、浅野社長が最も頼りとしているのは、本西亮治営業部長(写真右)だ。本西氏は、今年3月末まで製薬メーカーの三菱ウェルファーマに在籍していた。医薬品卸の浅野社長とは取引先という間柄になる。「本西氏と会うまで、医薬品物流のことなど何も知らなかった。しかし話を聞き、現状を把握し、自分の流れを変えることになった」、本西氏との出会いがターニングポイントとなった。
「物流の共同化は、メーカー以外の異業種が主になるべきという強い思いがあった。2年前にこうした展開があったなら、もっと医薬品物流は変わっていたはず」と話す本西氏だが、「それにしても浅野社長の行動は早かった」と驚く。浅野社長は、プロジェクト立ち上げから会社設立まナ、準備期間はわずか半年ほど。その間にさまざまな問題をクリアしてきた。「本西氏に来てもらう交渉や営業活動、さらに物流センターの譲渡も短期間に集中的にやった」(浅野社長)。
今年4月1日に山之内製薬と藤沢工業薬品が合併し、アステラス製薬となった。合併前、藤沢工業薬品の物流子会社が所有していた東部配送センター(茨城県古河市)、中央配送センター(兵庫県神戸市)、一部従業員の譲渡をスズケンが受けた。関連会社となるメーカー物流受託会社のコラボワークス(蜂須賀秀行社長、兵庫県神戸市)が運営する形となった。
しかし、アステラス製薬は合併以前から、物流機能を三菱倉庫へアウトソーシングとしている。同社が購入した物流センターには、ほとんど商品の出入りは見られない。現在は、残された商品の扱いと、新規顧客のための内部改装中であり、今秋の稼働を目指している。
同社長が挙げるキーワードは、「徹底した品質管理で業界の標準化」「共同化による物流の効率化・追求」「環境についてメーカーサイドと一緒に考えていく」「現在の人材、物流資産を最大限に利用」である。浅野社長は、「物流センターの購入をすることで最大限のリスクを背負った。これにより本気でやる気がある、という意思表示をした」と、揺るぎのない不退転の決意である。
現在、同社の筆頭株主はスズケンとなっているが、「医薬品メーカーサイドとしてみれば、卸はスズケン以外にも付き合いがある。そのため、一歩踏み出すかどうか、というところ。そのためにも早期に実績を上げ、メーカーサイドに認められる企業にしたい」とする。
「結果として改正薬事法などもあり、多角化としても設立は絶妙なタイミングだった。根本は、業界がダイナミックな変化をしている時に、外部から黒船が来ている。今やらなければ自分たちの事業領域が奪われてしまう。それだけは阻止したい」。最終的な目標は、業界で医療のプラットフォームを構築することである。医薬品物流の10年後を見据えた改革が始まった。(植竹裕子記者)
企業統合や法律改正など、医薬品業界は激しい環境変化を遂げ、これまで静観されがちだった医薬品物流も大きな影響を受けている。こうした動きに対し、医薬品卸大手のスズケン(別所芳樹社長、名古屋市)は、医薬品メーカーの物流を支援する企業、コラボクリエイト(浅野茂社長=写真左、東京都中央区)を立ち上げた。医薬品というデリケートな商品のため、各メーカー同士の物流の壁は厚く、共同化は困難とされていた。しかし、同社は第3者的立場として新しい切り口で参入する。
現在、医薬品業界は合併や提携などが進む一方で、4月1日から改正薬事法が施行。同法により新たな制度が設けられ、物流に関しても事業売却や分社化、アウトソーシングなどを取り入れるメーカーも目立つ。
医薬品卸のスズケンは、メーカーの物流共同化を支援する事業に注目。共同化実現のための企画・管理専門会社、コラボクリエイトを設立した。
「メーカー同士が一緒になって物流をやっていくことは必要だと思った」と話すのは、浅野社長。親会社のスズケンに同社の実行する物流共同化プロジェクトを持ちかけた本人でもある。
浅野社長は主に医薬品卸のM&Aを担当していた。そこでビジネススキームを見抜く力を養ってきた。「メーカーの選択肢としては、自社で物流を行っていくか、アウトソーシングをするか。しかし、自社運営は投資しなければならないし、アウトソーシングも把握できないため不安もある。それに本当のローコストなのかもわからない」。メーカーの不安を改善したい、という純粋な考えは、親会社の意思決定をも早めた。こうして、メーカーの共同配送を卸が率先して築くという、これまでにない新しい図式ができあがったのだ。
しかし、すでに医薬品共同配送システムを構築している例もある。「商社など異業種の参入が目立つ。医薬品業に関わっている以上、本当にそれでいいのだろうか、と思った」。改正薬事法も手伝い、「機能が細分化されるため、ターゲットも絞りやすくなった」と、異業種からの参入も容易になってきている。
そのため、同社はメーカーに対し強調することは、物流に関する課題解決、提案、現状を把握しながら解決までの手段を、現場まで一貫したアクションプランとして提供することだ。
同社の強みは、強力な能力・技術力をそろえたこと。株主には、医薬品物流センターや研究所・工場建設の第一人者の大成建設、3PL物流事業業として定評が高いキムラユニティーがそれぞれ同等額を出資している。両社からのスタッフも常駐している。その他、医薬品メーカー16社で株式は構成されている。
また、「ここまで来ることができたのも、この人がいたから」と、浅野社長が最も頼りとしているのは、本西亮治営業部長(写真右)だ。本西氏は、今年3月末まで製薬メーカーの三菱ウェルファーマに在籍していた。医薬品卸の浅野社長とは取引先という間柄になる。「本西氏と会うまで、医薬品物流のことなど何も知らなかった。しかし話を聞き、現状を把握し、自分の流れを変えることになった」、本西氏との出会いがターニングポイントとなった。
「物流の共同化は、メーカー以外の異業種が主になるべきという強い思いがあった。2年前にこうした展開があったなら、もっと医薬品物流は変わっていたはず」と話す本西氏だが、「それにしても浅野社長の行動は早かった」と驚く。浅野社長は、プロジェクト立ち上げから会社設立まナ、準備期間はわずか半年ほど。その間にさまざまな問題をクリアしてきた。「本西氏に来てもらう交渉や営業活動、さらに物流センターの譲渡も短期間に集中的にやった」(浅野社長)。
今年4月1日に山之内製薬と藤沢工業薬品が合併し、アステラス製薬となった。合併前、藤沢工業薬品の物流子会社が所有していた東部配送センター(茨城県古河市)、中央配送センター(兵庫県神戸市)、一部従業員の譲渡をスズケンが受けた。関連会社となるメーカー物流受託会社のコラボワークス(蜂須賀秀行社長、兵庫県神戸市)が運営する形となった。
しかし、アステラス製薬は合併以前から、物流機能を三菱倉庫へアウトソーシングとしている。同社が購入した物流センターには、ほとんど商品の出入りは見られない。現在は、残された商品の扱いと、新規顧客のための内部改装中であり、今秋の稼働を目指している。
同社長が挙げるキーワードは、「徹底した品質管理で業界の標準化」「共同化による物流の効率化・追求」「環境についてメーカーサイドと一緒に考えていく」「現在の人材、物流資産を最大限に利用」である。浅野社長は、「物流センターの購入をすることで最大限のリスクを背負った。これにより本気でやる気がある、という意思表示をした」と、揺るぎのない不退転の決意である。
現在、同社の筆頭株主はスズケンとなっているが、「医薬品メーカーサイドとしてみれば、卸はスズケン以外にも付き合いがある。そのため、一歩踏み出すかどうか、というところ。そのためにも早期に実績を上げ、メーカーサイドに認められる企業にしたい」とする。
「結果として改正薬事法などもあり、多角化としても設立は絶妙なタイミングだった。根本は、業界がダイナミックな変化をしている時に、外部から黒船が来ている。今やらなければ自分たちの事業領域が奪われてしまう。それだけは阻止したい」。最終的な目標は、業界で医療のプラットフォームを構築することである。医薬品物流の10年後を見据えた改革が始まった。(植竹裕子記者)
企業統合や法律改正など、医薬品業界は激しい環境変化を遂げ、これまで静観されがちだった医薬品物流も大きな影響を受けている。こうした動きに対し、医薬品卸大手のスズケン(別所芳樹社長、名古屋市)は、医薬品メーカーの物流を支援する企業、コラボクリエイト(浅野茂社長=写真左、東京都中央区)を立ち上げた。医薬品というデリケートな商品のため、各メーカー同士の物流の壁は厚く、共同化は困難とされていた。しかし、同社は第3者的立場として新しい切り口で参入する。
現在、医薬品業界は合併や提携などが進む一方で、4月1日から改正薬事法が施行。同法により新たな制度が設けられ、物流に関しても事業売却や分社化、アウトソーシングなどを取り入れるメーカーも目立つ。
医薬品卸のスズケンは、メーカーの物流共同化を支援する事業に注目。共同化実現のための企画・管理専門会社、コラボクリエイトを設立した。
「メーカー同士が一緒になって物流をやっていくことは必要だと思った」と話すのは、浅野社長。親会社のスズケンに同社の実行する物流共同化プロジェクトを持ちかけた本人でもある。
浅野社長は主に医薬品卸のM&Aを担当していた。そこでビジネススキームを見抜く力を養ってきた。「メーカーの選択肢としては、自社で物流を行っていくか、アウトソーシングをするか。しかし、自社運営は投資しなければならないし、アウトソーシングも把握できないため不安もある。それに本当のローコストなのかもわからない」。メーカーの不安を改善したい、という純粋な考えは、親会社の意思決定をも早めた。こうして、メーカーの共同配送を卸が率先して築くという、これまでにない新しい図式ができあがったのだ。
しかし、すでに医薬品共同配送システムを構築している例もある。「商社など異業種の参入が目立つ。医薬品業に関わっている以上、本当にそれでいいのだろうか、と思った」。改正薬事法も手伝い、「機能が細分化されるため、ターゲットも絞りやすくなった」と、異業種からの参入も容易になってきている。
そのため、同社はメーカーに対し強調することは、物流に関する課題解決、提案、現状を把握しながら解決までの手段を、現場まで一貫したアクションプランとして提供することだ。
同社の強みは、強力な能力・技術力をそろえたこと。株主には、医薬品物流センターや研究所・工場建設の第一人者の大成建設、3PL物流事業業として定評が高いキムラユニティーがそれぞれ同等額を出資している。両社からのスタッフも常駐している。その他、医薬品メーカー16社で株式は構成されている。
また、「ここまで来ることができたのも、この人がいたから」と、浅野社長が最も頼りとしているのは、本西亮治営業部長(写真右)だ。本西氏は、今年3月末まで製薬メーカーの三菱ウェルファーマに在籍していた。医薬品卸の浅野社長とは取引先という間柄になる。「本西氏と会うまで、医薬品物流のことなど何も知らなかった。しかし話を聞き、現状を把握し、自分の流れを変えることになった」、本西氏との出会いがターニングポイントとなった。
「物流の共同化は、メーカー以外の異業種が主になるべきという強い思いがあった。2年前にこうした展開があったなら、もっと医薬品物流は変わっていたはず」と話す本西氏だが、「それにしても浅野社長の行動は早かった」と驚く。浅野社長は、プロジェクト立ち上げから会社設立まナ、準備期間はわずか半年ほど。その間にさまざまな問題をクリアしてきた。「本西氏に来てもらう交渉や営業活動、さらに物流センターの譲渡も短期間に集中的にやった」(浅野社長)。
今年4月1日に山之内製薬と藤沢工業薬品が合併し、アステラス製薬となった。合併前、藤沢工業薬品の物流子会社が所有していた東部配送センター(茨城県古河市)、中央配送センター(兵庫県神戸市)、一部従業員の譲渡をスズケンが受けた。関連会社となるメーカー物流受託会社のコラボワークス(蜂須賀秀行社長、兵庫県神戸市)が運営する形となった。
しかし、アステラス製薬は合併以前から、物流機能を三菱倉庫へアウトソーシングとしている。同社が購入した物流センターには、ほとんど商品の出入りは見られない。現在は、残された商品の扱いと、新規顧客のための内部改装中であり、今秋の稼働を目指している。
同社長が挙げるキーワードは、「徹底した品質管理で業界の標準化」「共同化による物流の効率化・追求」「環境についてメーカーサイドと一緒に考えていく」「現在の人材、物流資産を最大限に利用」である。浅野社長は、「物流センターの購入をすることで最大限のリスクを背負った。これにより本気でやる気がある、という意思表示をした」と、揺るぎのない不退転の決意である。
現在、同社の筆頭株主はスズケンとなっているが、「医薬品メーカーサイドとしてみれば、卸はスズケン以外にも付き合いがある。そのため、一歩踏み出すかどうか、というところ。そのためにも早期に実績を上げ、メーカーサイドに認められる企業にしたい」とする。
「結果として改正薬事法などもあり、多角化としても設立は絶妙なタイミングだった。根本は、業界がダイナミックな変化をしている時に、外部から黒船が来ている。今やらなければ自分たちの事業領域が奪われてしまう。それだけは阻止したい」。最終的な目標は、業界で医療のプラットフォームを構築することである。医薬品物流の10年後を見据えた改革が始まった。(植竹裕子記者)
企業統合や法律改正など、医薬品業界は激しい環境変化を遂げ、これまで静観されがちだった医薬品物流も大きな影響を受けている。こうした動きに対し、医薬品卸大手のスズケン(別所芳樹社長、名古屋市)は、医薬品メーカーの物流を支援する企業、コラボクリエイト(浅野茂社長=写真左、東京都中央区)を立ち上げた。医薬品というデリケートな商品のため、各メーカー同士の物流の壁は厚く、共同化は困難とされていた。しかし、同社は第3者的立場として新しい切り口で参入する。
現在、医薬品業界は合併や提携などが進む一方で、4月1日から改正薬事法が施行。同法により新たな制度が設けられ、物流に関しても事業売却や分社化、アウトソーシングなどを取り入れるメーカーも目立つ。
医薬品卸のスズケンは、メーカーの物流共同化を支援する事業に注目。共同化実現のための企画・管理専門会社、コラボクリエイトを設立した。
「メーカー同士が一緒になって物流をやっていくことは必要だと思った」と話すのは、浅野社長。親会社のスズケンに同社の実行する物流共同化プロジェクトを持ちかけた本人でもある。
浅野社長は主に医薬品卸のM&Aを担当していた。そこでビジネススキームを見抜く力を養ってきた。「メーカーの選択肢としては、自社で物流を行っていくか、アウトソーシングをするか。しかし、自社運営は投資しなければならないし、アウトソーシングも把握できないため不安もある。それに本当のローコストなのかもわからない」。メーカーの不安を改善したい、という純粋な考えは、親会社の意思決定をも早めた。こうして、メーカーの共同配送を卸が率先して築くという、これまでにない新しい図式ができあがったのだ。
しかし、すでに医薬品共同配送システムを構築している例もある。「商社など異業種の参入が目立つ。医薬品業に関わっている以上、本当にそれでいいのだろうか、と思った」。改正薬事法も手伝い、「機能が細分化されるため、ターゲットも絞りやすくなった」と、異業種からの参入も容易になってきている。
そのため、同社はメーカーに対し強調することは、物流に関する課題解決、提案、現状を把握しながら解決までの手段を、現場まで一貫したアクションプランとして提供することだ。
同社の強みは、強力な能力・技術力をそろえたこと。株主には、医薬品物流センターや研究所・工場建設の第一人者の大成建設、3PL物流事業業として定評が高いキムラユニティーがそれぞれ同等額を出資している。両社からのスタッフも常駐している。その他、医薬品メーカー16社で株式は構成されている。
また、「ここまで来ることができたのも、この人がいたから」と、浅野社長が最も頼りとしているのは、本西亮治営業部長(写真右)だ。本西氏は、今年3月末まで製薬メーカーの三菱ウェルファーマに在籍していた。医薬品卸の浅野社長とは取引先という間柄になる。「本西氏と会うまで、医薬品物流のことなど何も知らなかった。しかし話を聞き、現状を把握し、自分の流れを変えることになった」、本西氏との出会いがターニングポイントとなった。
「物流の共同化は、メーカー以外の異業種が主になるべきという強い思いがあった。2年前にこうした展開があったなら、もっと医薬品物流は変わっていたはず」と話す本西氏だが、「それにしても浅野社長の行動は早かった」と驚く。浅野社長は、プロジェクト立ち上げから会社設立まナ、準備期間はわずか半年ほど。その間にさまざまな問題をクリアしてきた。「本西氏に来てもらう交渉や営業活動、さらに物流センターの譲渡も短期間に集中的にやった」(浅野社長)。
今年4月1日に山之内製薬と藤沢工業薬品が合併し、アステラス製薬となった。合併前、藤沢工業薬品の物流子会社が所有していた東部配送センター(茨城県古河市)、中央配送センター(兵庫県神戸市)、一部従業員の譲渡をスズケンが受けた。関連会社となるメーカー物流受託会社のコラボワークス(蜂須賀秀行社長、兵庫県神戸市)が運営する形となった。
しかし、アステラス製薬は合併以前から、物流機能を三菱倉庫へアウトソーシングとしている。同社が購入した物流センターには、ほとんど商品の出入りは見られない。現在は、残された商品の扱いと、新規顧客のための内部改装中であり、今秋の稼働を目指している。
同社長が挙げるキーワードは、「徹底した品質管理で業界の標準化」「共同化による物流の効率化・追求」「環境についてメーカーサイドと一緒に考えていく」「現在の人材、物流資産を最大限に利用」である。浅野社長は、「物流センターの購入をすることで最大限のリスクを背負った。これにより本気でやる気がある、という意思表示をした」と、揺るぎのない不退転の決意である。
現在、同社の筆頭株主はスズケンとなっているが、「医薬品メーカーサイドとしてみれば、卸はスズケン以外にも付き合いがある。そのため、一歩踏み出すかどうか、というところ。そのためにも早期に実績を上げ、メーカーサイドに認められる企業にしたい」とする。
「結果として改正薬事法などもあり、多角化としても設立は絶妙なタイミングだった。根本は、業界がダイナミックな変化をしている時に、外部から黒船が来ている。今やらなければ自分たちの事業領域が奪われてしまう。それだけは阻止したい」。最終的な目標は、業界で医療のプラットフォームを構築することである。医薬品物流の10年後を見据えた改革が始まった。(植竹裕子記者)