企業・経営者部門 ノミネート記事

他社との差別化図る ISO39001取得
2017年3月27日号

他社との差別化図る ISO39001取得

山田運送 認証継続で物流のブランド化推進

 トラック運送業にとって安全は永遠のテーマだが、実際に全社を挙げて取り組むことができている企業は意外と少ない。そんな中で、当初から「安全第一・利益第二」をスローガンに掲げ、Gマークなど各種認証を取得してきたのが山田運送(滋賀県大津市)だ。平成24年6月からはISO39001取得に向けて取り組みを開始し、平成25年4月に県内で初めて認証を取得した。同社のこれまでの安全に対する取り組みを、山田英樹社長に聞いた。
 ISO39001認証取得のきっかけは、自動車事故対策機構(NASVA)の提案だったという。同機構のコンサルを受けながら、RTS(道路交通安全)マニュアルの作成および運用をすすめた。今年は2月上旬に認証の継続審査があり、前回に引き続き指摘事項ゼロという驚異的な成績で審査は終わった。「社外の方に他の運送事業者との違いを尋ねられた際に、明確な回答ができなかったのが認証取得を目指したきっかけ。Gマーク、グリーン経営につづく、差別化のための強みになればと考えた」と山田社長は振り返る。
 同認証取得に取り組むまでは、トップダウンの安全教育が行われていた。しかし、現場からの声を重視するため、社長と従業員が定期的に安全に関する意見交換を実施するようになったという。また、運行管理者と3~5人程度のドライバーによる安全ミーティングや個別面談など、情報交換方法を増やした。その結果、取り組みを始めてから人身・物損事故とも自社便はゼロを達成している。
 現場では、GPS機能付きデジタルタコグラフの全車導入をすすめた。また、社速厳守による他車両からのプレッシャーがあったことから、社員のアイデアで安全運転宣言ステッカーを作成。トラックにステッカーを貼りつけることで、運行時の追突予防効果があった上に、速度順守の徹底も実現した。
 さらに、社内駐停車時での輪止め徹底により、通常時の習慣も身についた。「安全ロープで輪止めを運転席に装着することで、乗務時の輪止め脱着防止が実現。その他にも、ロープを使って運転席からの死角を確認する教育やリフト作業安全講習など、各種訓練を行った。一方的に講師が話して終わる講習ではなく、会社の体制が改善していくような意見の飛び交う講習を目指している」
 山田社長は社長就任時から、安全がすべてに優先する経営を目指してきた。「認証取得の過程で現場からの安全に対する意見が増え、さらなる安全向上が実現したことは大きな成果。認証取得を目指す過程で、必ず事故は減る」と話す。認証取得直前に山田社長は、NASVAの全国大会で同業他社に安全の取り組みの重要性を訴えている。
 安全に対し自信がついたことで、物流に関する提案を求められるようになり、提案も発・着荷主からの信頼も厚くなった同社。「弊社のファンが増えていることが強み。ISO39001の認証を継続して取得していくことで、さらに物流のブランド化をすすめたい」としめくくった。