企業・経営者部門 ノミネート記事

会社の繁栄は社員と共に チームワークで拡大めざす
2016年9月26日号

会社の繁栄は社員と共に チームワークで拡大めざす

八大 岩田享也社長

 【東京】八大(中央区)は1942年に創業し、74年目を迎える。3代目の岩田享也社長は、取扱荷種を紙から食品へと全面的に移行。大きな決断を下した背景には、会社の行く末と社員の将来を思う、岩田社長の熱い気持ちがあった。
 同社のルーツは日本橋人形町。「かつては大手広告代理店や印刷会社の本社があり、新川で紙を水揚げし、本で有名な神田神保町のある千代田区周辺をまわっていた。そこが手狭になって江東区にも拡大したと聞いている」
 一時、配送に30、40台を用立てるほどの隆盛を極めた紙配送も、需要減により物量が減り、運賃も下がってきた。そこで岩田社長は、思い切った采配を振るった。
 食品に絞った理由は、「人間が生活する限り、食の需要はなくならない」ということがポイントだった。また、ドライバー不足などの諸問題を考えると「これからの時代、仕事は『シンプル』『平準化』する必要がある」と考えていたこともある。荷物も比較的軽く、台車などの機具も使える。若者が入ってすぐにでも仕事ができ、年配になっても続けられる仕事である。そして、同じマインドを持ち、仕組みづくりをしている荷主と共に仕事をしようと決意した。
 岩田社長のいう「仕事の平準化」は、〝誰でもできる〟というより、〝皆でシェアできる〟というイメージだ。その 考えが一層強くなったのは、この取扱荷物の入れ替えがきっかけになっている。同社のビジョンにもあるように拡大志向が強いという。「決まったキャパの中でひっかきまわしても伸びない。運賃を上げて収益性を上げて社員に還元する」という熱い思いとは裏腹に、仕事内容が180度変わることに対する社員の戸惑いは大きかった。
 「今になってみると自分の思いをきちんと伝えていなかったし、社員がどう思っているのかもわかっていなかった」と振り返る岩田社長。社員らと会話を繰り返しながら、会社の大転換期を共に乗り越え、今の八大がある。社長の周りには自然と輪ができ、冗談を言って笑いあう姿からは「チームワーク」の文字が浮かんでくるようだ。
  「大きな影響力を与える会社」を目指す八大。さらなる効率化、収益アップ、そして社員へ再配分するために果敢に挑戦するという。
 岩田社長は「物流を使った仕事であれば何でも」と話し、視野は限りなく広い。規模の拡大、M&Aにも前向きだ。「その時その時でベストな方法を取っていく」と意気込みを語る。