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独禁法 適用除外のケース
2016年11月21日号

独禁法 適用除外のケース

 一般貨物であろうと軽貨物であろうと、現在、運賃を決定するのは運送事業者自身に任されている。運賃をいくらにするかは、必ず運送事業者自身が決めなくてはならない。逆に、複数の運送事業者が相談して運賃を決めた場合、独占禁止法に違反してしまうことになりかねない。しかし、軽トラなどの個人事業主の団体(協同組合)では、組織として運賃価格を決定しているが、これは独禁法の「適用除外」を受けているため可能となる。一般のトラック運送でも可能なのだろうか。

個人事業主団体の運賃設定

 国交省貨物課によると「一般貨物と軽貨物にかかわらず、運賃は運送事業者で決定する」という。法律上では一般貨物、軽貨物に関わらず運賃設定にはまったく差がないという。軽貨物運送の団体で組織として運賃を決めている場合については「ある。しかし、それは強制ということではないのではないかか」としている。
 その点について、公正取引委員会に話を聞くと、「軽貨物事業者でも複数の事業者が相談して運賃を決めた場合、カルテルとして違法とされることがあるが、それが協同組合となると話が違ってくる」と指摘する。「協同組合の場合は(独禁法の)適用除外となることがある」という。

除外の項目

 独禁法には適用除外の項目があり、同第22条には一定の組合の行為を適用除外としている。まず、「法律の規定に基づいて設立された組合」の行為という前提で、①小規模の事業者または消費者の相互扶助を目的とすること②任意に設立され、かつ組合員が任意に加入し、または脱退することができること③各組合員が平等の議決権を有すること④組合員に対して利益分配を行う場合には、その限度が法令または定款に定められていること――という規定を備えれば、協同組合(連合会を含む)での運賃設定が可能となる。
 では、どこまでが「小規模事業者」なのだろうか。公取委によると、「法律に基づいた組合とあるように、中小企業等協同組合法の第7条(独禁法との関係)の組合員が資本金3億円以下、従業員300人以下などの要件を満たす規模となる」とのこと。
 日貨協連では「そういった(標準運賃を)設定しようという話は聞いたことがない。少なくとも全国団体ではないし、地方でも聞いたことがない。作るにしても公取委に引っかかるのではないか」と話す。
 日貨協連にかかわらず、運賃の「適用除外」は一般にはあまり知られていない。しかし、個人事業主の団体である赤帽軽自動車運送協同組合連合会では、料金を提示して事業を展開している。
 次回は軽貨物事業者の協同組合について、運賃をどのように決定しているのか、詳しく調べてみたい。