第69回:危ない経営者第4条・言行が一致しない経営者

 「危ない経営10か条」の第4条は、「言行が一致しない経営者」である。

このタイプの経営者は、社員や幹部にうとまれやすく、取引先や金融機関に軽んじられやすい。

つまり、どこを向いても信用されず、常に倒産と背中合わせの経営を強いられる。


 八起会へも「幹部が動かない」「社員が働かない」「取引先が現金でなければ取引できないと言い出した」などの相談が寄せられるが、大抵の場合、経営者の言行不一致に原因がある。

 約束通りにボーナスを出さなかったら、どんな社員だって怒る。

 支払い期日を守らなかったら、どこの取引先だって腹を立てる。

 当たり前のことである。


 ところが、言行不一致型の経営者に限って、その当たり前のことがわかっていない。

 だから「10%減ぐらい我慢してくれたたっていいじゃないか」と、認識が甘くなり、信用を失っていく。

 私はそういう経営者に対して、いつも次のようにアドバイスしている。

 「おそらく、完全に言行の一致する人間など一人もいないでしょう。

 その点では、一人の人間としてみれば社長も社員も、役人も政治家も似たり寄ったりかもしれません。

 しかし、トップやリーダーと呼ばれる人たちに限っては、言行の不一致が命取りになります。

 それは、彼らの言が多くの人たちを左右しているからです。

 いったんそこに不信が生ずれば、誰もその言に従いません。

 経営者ならたちまち倒産です」

 先頃、国民年金の未納議員が相次いで発覚し、国民の怒りを買った。

閣僚をはじめ党首クラスにまで及んだのだから無理もない。

 が、二、三の例外を除いて、大方は役職にとどまった。

「国民だって4割も未納ではないか」と言いたいのだろうが、リーダーにあるまじき言行不一致である。

2004年7月31日

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