第143回:警備会社を立ち上げる

 3年後、警備事業のノウハウを蓄積し、100万円ばかりを貯めたところで、Nさんは東京都の警備員指導教育責任者の資格を取得し、50万円の資本金をもって警備保障会社を立ち上げた。Nさんの再起がなった瞬間である。

 以後、Nさんは毎年のように業績を伸ばし、人員を増やし、いまや資本金1500万円、人員75人という充実ぶりである。経営もいたって順調で、無借金はもちろんのこと、利益のなかから自分のふるさと(京都)や奥さんのふるさと(滋賀)への寄付も怠っていない。

  「せめてもの罪ほろぼしですよ」とNさんは照れるが、なかなかできることではない。

3年後、警備事業のノウハウを蓄積し、100万円ばかりを貯めたところで、Nさんは東京都の警備員指導教育責任者の資格を取得し、50万円の資本金をもって警備保障会社を立ち上げた。Nさんの再起がなった瞬間である。

 以後、Nさんは毎年のように業績を伸ばし、人員を増やし、いまや資本金1500万円、人員75人という充実ぶりである。経営もいたって順調で、無借金はもちろんこと、利益のなかから自分のふるさと(京都)や奥さんのふるさと(滋賀)への寄付も怠っていない。

  「せめてもの罪ほろぼしですよ」とNさんは照れるが、なかなかできることではない。

 かつて絶縁状を突きつけた長男も、いまはNさんの会社で働いているし、奥さんと復縁したことは言うまでもない。夜逃げしたばっかりにずいぶん遠まわりしたが、Nさんは目下、「家族とともにある」幸せを噛みしめている。

 以下はNさんの体験発表の一節である。

  「この不況下でも、私の会社はこの3年間で売り上げを3倍に伸ばしました。しかし、私の交際費はゼロです。かつて借金に苦しみ、それなのに見栄で交際費を遣っていたことが倒産を早めたからです。警備の業界も、ゴルフや夜の接待で仕事を取るのが通例ですが、私は交際費がありませんから、そういうことは一切していません。そのかわり毎朝4時に起き、ゼネコンの社長や担当者に葉書を書きます。月に200、300通は書きます。そこにはかつて自分が事業に失敗したこと、そして今は、その反省のうえに立って経営していることを正直に書きます。それが私の営業であり、トップ・セールスです。交際費ゼロでも営業はできます。会社の姿勢と経営理念を伝えることはできます。わが社の社是は『三者の幸せ』です。三者とは会社、社員、顧客の三者です」
                               2007年09月30日

2007年9月30日

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