第136回:再起の群像 果たされた再起

 倒産後のKさんの反省と行動は「本物」と言っていい。どんなに深く反省しようと、それが「自分を変える」べく次なる行動に結びつかなければ、しょせん、それは反省のための反省にすぎない。自分を変えずに状況を変えようというのは、どだい虫のいい話。まずは自分を変えること、それが真の反省というものであろう。

 その後、Kさんが見事に再起を果たしたことはいうまでもない。それも以前と同じ業種(宝石業)、同じ場所(日暮里)、同じ社名で、である。それもこれも、彼が「逃げなかった」からにほかならない。

 Kさんの会社はいま、かつての拡大主義とは打って変わり、「スモール・イズ・ビューティフル」のスローガンのもと、見事なほど効率経営に徹している。そして、この長引いた平成不況も乗り切り、かつてない高収益体質を維持している。

 最後にKさんが八起会で体験発表したコメントを紹介しておこう。

 「倒産が目の前にチラつき出してからというもの、それはそれは筆舌に尽くしがたい苦しみの日々でした。おそらくあの苦しみは倒産した者でなければわからないと思います。それでも毎朝、力強く昇ってくる太陽を目にすると、どこからともなく自然に勇気が湧いてくるのです」

  「そんなときは、『勇気ある撤退も経営者の決断の一つだ。人間はもともと裸一貫で、この世に生まれてきたのではなかったか。元の裸に戻ることを恐れてはならぬ。失敗は恥ずかしいことではない。本当に恥ずかしいことは、その失敗を克服できないことだ』という内なる声が聞こえてくるのです。私は絶対逃げないぞ、誠意をもって債権者にぶつかるぞ、そして必ず再起してみせるぞ、と心に誓いました」

2007年7月 5日

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