物流ウィークリーヘッドライン
さて、倒産後のKさんはどうなったか。その後日談である。
オレは逃げない…そう心に誓い、彼はその日の債権者会議にアタマを丸めて臨んだ。そして、絶対に夜逃げしないこと、丸裸になる覚悟もできていること、誠心誠意、事後処理に当たることの3点を意思表示したうえで、資産表を呈示した。
会議は「再建は不可能、清算型の私的整理、それも時間のかからない任意整理」という方向で決着した。再起をめざす者にとっては願ってもない解決方法である。彼の誠意は通じたのである。
そこでさっそく残務処理に着手。各営業所から本社に集中させた商品(宝石)をすべて債権者に配分、その額は債権額の25%に相当した。これが第1段。第2弾は本社社屋と土地の処分である。これも入札方式ですべて売却、その額9000万円もすべて債権者に配分した。これは債権者の23%に相当。ここで債権者は残り52%の債権をすべて放棄してくれた。この間、わずかに1年足らず。任意整理とはいえ、異例のスピードと上々の仕上げであった。
こうして1文なしになったKさんはその後、複合倒産を深く反省するとともに、ひそかに再起を心に誓った。奥さんの持っていた宝石を売って食いつなぎながら、彼が最初に起こした行動は、なんと昼は宝石学校へ、夜は簿記学校へ通うことだった。
いかに失敗したとはいえ、18年間も宝石に携わってきたプロが、もう一度、1から基本をやりなおそうというのは、誰にでもできることではない。しかも一方では、苦手の計数に強くなろうと夜間の簿記学校にも通う。いずれも50の手習いである。それほどKさんの再起への意志は固かったのである。
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