物流ウィークリーヘッドライン
数年後、Yさんに転機が訪れた。日頃の研鑽が実ったのか、かつての社員が経営者返り咲きのチャンスを持ってきてくれたのだ。
倒産のとき、Yさんが真っ先に取り組んだのは社員の身の振り方である。自分の倒産、丸裸は自業自得としても、社員を路頭に迷わせるわけにはいかない。Yさんは知人や友人、取引先や受注先を駆けずりまわり、社員の再就職先に全力を尽くした。その甲斐あって、全員の再就職が決まったところで、Yさんは経営にピリオドを打った。
チャンスを持ってきてくれた元社員も、そうした再就職組の1人だった。その話によれば、彼の会社の社長が体をこわし、この際、引退して1人娘の嫁ぎ先であるオーストラリアに永住したい、ついては技術系で経営のわかる人に会社を譲りたいが、誰かいないか…とのことだった。
その会社の事業内容は、佐川急便の物流拠点(東北32、関東30拠点)にベルトコンベヤーを納入し、年間契約でその管理、メンテナンスを行うもので、経営内容も堅実、安定しているという。
八起会で研鑽を積みながら、じっとその時を待っていたYさんが、このチャンスを逃すはずもない。とんとん拍子に話がすすみ、Yさんは平成13年、ついに経営者に返り咲いた。すでに経営基盤は確立されていたが、Yさんはその上に新規事業を重ねていった。かつての受注先をまわり、自分の得意分野へ進出、徐々に業容を拡大していった。が、その姿勢はかつての場当たりではない。目標を定め、計画を立てての経営である。倒産と反省と研鑽に学んだ学習効果と言っていい。
目下、Yさんの経営は順風満帆である。技術系の義理の息子(娘婿)を会社に入れ、帝王学の伝授に余念がない。それが倒産で辛い思いをさせた娘さんへの詫びででもあるかのように。
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