物流ウィークリーヘッドライン
当時、バブルの渦中にあってそれがバブルだと気づいた経営者は、おそらく1人もいなかったに違いない。それどころか、バブルがはじけたのちも、「いずれ株価は戻す。地価も反転する」と信じて、待ちの経営、先送りの経営に終始した経営者が、いかに多かったことか。今回から、バブルを実力と錯覚して倒産した経営者の再起例を紹介しよう。
Yさんは昭和57年、42歳のとき脱サラし、エンジニアリング会社を立ち上げた。OA機器を組み立てて自動化・省力化ラインをつくったり、コンベヤー・システムをつくったりという、いわゆるベンチャーである。
もともとYさんは技術屋で、いつかはベンチャーをという希望はあったが、脱サラの直接のきっかけは、会社に対する不満だった。儲かっていないときはガラス張り経営だったのに、儲かりだしたとたん、経営者一族がガラスにカーテンを引いてしまったからである。
Yさんの創業は資本金600万円、従業員は奥さん1人だけというささやかなものだった。初年度の実績も売り上げ1000万円、利益200万円という心細いものだった。
ただ、ビジネスの内容が、顧客にアイデアをプレゼンテーションし、それが通れば受注につながり、受注後は自分で設計し、つくるのは外注というもので、経費はほとんどかからなかった。成否の決め手は一にかかってアイデアと営業力にある。Yさんは日夜アイデアに心血を注ぎ、足を棒にして営業にまわった。
その成果が2年目にしてたちまち表れた。なんと、売り上げが初年度の10倍、1億円にも達したのである。この大飛躍にYさんが自信を深めたことは言うまでもない。
3年目、いよいよ忙しくなり、技術系の社員を3人雇って設計を担当させ、自分は営業に邁進していく。
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